銅の溶解

銅の溶ける温度は1083℃でとても高いです。しかし、250℃のはんだ槽の中に銅を浸すと、銅は溶けだします。このような現象を溶解といいます。(妖怪ではありませんよ)

 

はんだ付けでは、〔溶けた半田〕と〔母材の材質の金属〕が化合してできた合金層が接合の役割を果たしていますので、ほんの少しなら母材が溶解するのはいいのですが、母材の銅パターンが溶解しすぎて無くなると大変です。銅パターンが無くなると電気が通らなくなったり故障の原因にもなります。また、そこまでいかなくても、溶融しているはんだの中に銅がたくさん溶け出しすぎると合金層が厚くなってしまいます。厚くなると強度が上がるのでは?と思われがちですが、実は合金層には強度がもっとも高くなる最適な厚さがあり、厚くなりすぎると破断しやすくなります。(共晶はんだでは合金層の厚さが3μm程度が強度が高くなります)

 

このため、はんだのメーカーさんは色々な対策を行っています。

 

「銅パターンの上にバリアとなるNiメッキをほどこす」

NiはCuよりも溶解速度がかなり遅くなりますので、はんだに浸してもCuはすぐには溶けだしません。

 

「はんだ中に母材の成分を少し混ぜておく」

溶融したはんだにあらかじめ少量の銅が混ざっていると、母材の銅パターンから溶解する銅の量が少なくなります。(溶融したはんだ中に溶解している銅の濃度が高ければ高いほどその中に新たに銅が溶解しにくくなります) 実際に、鉛フリーはんだでは銅が0.5%~0.7%ほど混ざっている製品があります。

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また、溶融したはんだに接している時間が長いほど銅が溶解する量が多くなりますので、はんだ付けの作業時間に注意が必要です。

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